私の講座の大学院生は現在5名おり、全員が女性医師です。育児中、妊娠中の方もいれば、伴侶を募集中の方もいます。教員は私を含めて4名で、全員が乳幼児から学童期までの子供を抱えています。必然的に仕事と家庭生活の両立は全員の関心事です。
我が家での経験、そして個人的な見聞から、若いお母さんたちにとって子供が乳幼児期から小学校低学年くらいまでの頃が仕事と家庭生活の両立に悩む時期だと感じます。学位や専門医取得といったキャリア形成上の大きな関門もこの時期に重なりがちです。その困難を乗り越えさせてあげられるよう、少し先を行く人生の先輩として若い人たちの力になりたいと思う日々です。
仕事と家庭生活は決して対立概念ではありません。家庭生活の充実は仕事のエネルギーにもなります。男性の私でもそう思います。生涯学習を継続する必要のある医師が息の長い職業人生を送る上で、円満な家庭を築くことはとても大切です。生活場所と就業場所は表裏一体です。住みたい場所で家庭を持ち、そこで自らが望む職を得て、しかもキャリア形成していければ最高です。
一方、家庭をお持ちの方とそうでない方の間にちょっとした溝のようなものを感じることがあります。独身だと何でこんなに割を食わなくてはならないの、みたいな気持ちを抱く場面はそういう立場の方であればきっとあると思います。これは嫁姑問題と同じで永遠のテーマかもしれません。これを解消する1つの方法は、結婚を望む人がみな結婚できるように環境を整えることだと思います。そのためにはまず、恋愛を育むには仕事が忙しすぎてはいけません。それに若い皆さんの出会いの場も必要です。そこで男女共同参画委員会として、気兼ねなく出入りできる若者のたまり場や、出会いのきっかけとなるようなイベントを設けることができないものかと個人的に思案中です。
あらゆる方々にとって居心地の良い職場環境となるよう、男女共同参画委員会の一員として微力を尽くしてまいりたい所存です。