群馬大学大学院医学系研究科ダイバーシティ推進委員会
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応援メッセージ・事例紹介

我が子と学びながら

群馬大学重粒子線医学研究センター生物学部門 助教
吉田 由香里

   私には3人の子供がいます。私は、我が子に、「女の子だから」「女の子のくせに」「男だから」「男の子のくせに」という言葉を発したことがありません。大人が男女の枠の中に子どもたちを当てはめてしまうことで、行動や考えに大きな影響を与えてしまうことがあるのではないかと思うからです。最近、一番下の子(4歳)が「自分は女の子だから、ママと一緒だね」などと、性別を気にするようになりました。散歩の途中、「あの子は髪が長いけれど女の子?」などと、見知らぬ人を見て、女なのか男なのかを問われることもあります。そんな時、私は戸惑うとともに、子供は何を見て性を区別しているのだろう?と疑問に思います。ある時、私は3人に「ママは女?男?どっちでもない?」と聞いてみました。すると3人とも「女!」と答えました。「どうして?」と聞くと、小学生の次男が「声とか話す感じが優しい感じだから」と答えました。同じく小学生の長男は「なんとなく、見た目とか持っているものとか」と答えました。「じゃぁ、かめ太は?」と聞くと、3人とも「名前が男の子だから男!」と答えました(家で20年くらい飼っている陸カメで名付け親は私。何も考えずに何となく名付けましたが、数年前に無精卵を産み、初めて性別を知りました…)。こんなにも小さいときから、自然と少ない知識を統合し、無意識のうちに「男」と「女」という2つのカテゴリーに当てはめているんだなぁと、色々と考えさせられた一場面でした。
   数年前にLGBTQであるかたと知り合いました。それまで、私はジェンダーについて無関心でした。しかし、その知人が、周囲からの偏見や差別的言動にさらされ、傷つき悩みながらも自分らしく生きようとしている姿を見て、私は、少しでも理解できる人でありたいと思うようになりました。世界中でSustainable Development Goals (SDGs)を推進している今や“ジェンダー”という言葉は小さな子供でさえ聞いたことがある時代になりました。我が子も、小学校の授業やテレビでよく耳にすることで、きちんと理解はしていないけれど、大切なことだということは何となくわかっている様子です。
   我が子と一緒に学びながら、男女共同参画委員会の一員として何ができるのかを考え、みんなにとって居心地の良い就業・修学環境を整備するお手伝いをしていきたいと思っています。