
十数年前、私は本学の男女共同参画室(現在はダイバーシティ推進センター)の設立当初の活動に参加していました。当時は性別に関する従来の価値観が根強く、上位職の先生方の理解と協力をどのように得るかが大きな課題でした。また、支援のあり方も女性への支援を中心に議論されることが一般的でした。
しかし、時代は確実に進んでいます。昨年、「男性の育児休暇取得促進」に向けたセミナーを企画する機会に恵まれました。その準備の過程で、医学系研究科や附属病院でも男性の育休取得者が年々増えているという心強い変化を知りました。令和6年度には、計17名の男性教員・医員・シニアレジデントが育休を取得しています。さらにセミナー当日には、若手教室員の育休取得を後押ししてこられた教授にご登壇いただき、若手が働きやすい環境を整えることが、意欲の向上や人材の確保にもつながることをお話いただきました。かつての状況を思えば、大きな進歩を実感しました。また、私自身の周囲を見ても、今では男性が子どもの看病のためにお休みをとったり、学校行事に父親が参加する様子を自然に見かけるようになりました。仕事と家庭の両立に対する考え方も、着実に変わってきていることを感じます。
とはいえ、制度の運用面や意識の面など、まだまだ改善の余地は残されています。もし現状に課題を感じることがあれば、ぜひ声を上げてみてください。医学系ダイバーシティ推進委員会にも、日頃感じていることや、「こうなったらいいな」と思うことを気軽にお寄せいただければと思います。そして、ご自身が経験を積まれた際には「次の世代のためにより良い環境をつくる側」としても力を貸していただければ幸いです。すぐにすべての問題を解決することは難しいかもしれませんが、小さな変化の積み重ねが、やがて大きな変化につながります。これからも、多様な人材がそれぞれの力を十分に発揮できる環境を、皆さんとともに育んでいければと思います。